目次
読んだきっかけ
大学の経営学の講義でトヨタ生産方式について習ったことや、喫茶店で雑誌のトヨタ式の整理整頓術の特集をたまたま読んだこと等から、元々「改善」で有名なトヨタ自動車にはとても興味がありました。
また、丁度私自身が抱えている仕事量が多く悩んでいたタイミングでもあったので、「あのトヨタなら何か効率化のヒントが得られるかも!」と手に取ってみました。
2006年出版、とだいぶ昔の本だったので若干の不安がありましたが、目次の段階で「「ラクしたい」という向上心を持つ」「当たり前の難しさに気付こう」「前例は学ぶより改善する方が良い」など共感できる至言が盛りだくさんで、すぐに読みたい!と感じました。
もちろん、読んだ後も仕事のヒントが得られましたし、何より「流石トヨタ!自分もカイゼンカイゼンで膨大な仕事もこなすぞ!」という前向きな気持ちになりました。
本の説明
この本は、トヨタ自動車の従業員からカルマン株式会社代表取締役社長となられた若松義人氏がトヨタグループの工場現場の事例を中心に、トヨタの仕事観について書かれた本です。工場の生産ラインでの5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)や改善を徹底することで業績が伸びたという事例やその根拠などを極力専門用語を使わず書かれています。そしてトヨタの知恵は単なる製造過程の効率化だけでなく、どうすれば人は育つのか等の人財育成にまで及んでおり、私のようなサラリーマンにとって多くのヒントが見つかるはずです。
感想
最も私が痛感した内容は、人を育てるためには教育(知らないことを教える)だけではなく訓練(知っていることを繰り返しやらせることで体で覚えこませる)が必要であることや、無駄な作業とは何かといった内容です。
教育やセミナー研修に力を入れています!といって最初の触りだけはしっかり教える会社は多いですが、普通1回教えてもらっただけでは多くの人は出来るようになるわけではありませんよね。人間は、1回教えたらすぐ出来るAIと違って、教育の後には何度も繰り返しやって覚えるという訓練が必要なんだということです。
私はある仕事のやり方をわかってはいても実際に出来ずに周りの人たちに助けを求めたという苦い経験が何度もあり、今でも悩んでいたのでこの章は刺さりました。
これからは仕事を覚えたらまずは繰り返し何度もやってみる、ことを意識し安易に「わかりました」と言わないようにしようと思います。
また、後者についてトヨタでは仕事中の動作を「作業」と「無駄」の2つに分け、さらにそのうちの作業を実働時間ともいえる「正味作業」と現状のシステムでは正味作業のためにどうしても必要となる「付随作業」に分けて考えるそうです。
そして基本的に無駄を省き、付随作業を減らすことで改善を図ります。
私はこの作業の分類はシンプルかつ汎用的で、製造業の生産ラインに限らずホワイトカラーのオフィス業務にも応用できるのではないかと感じました。
まずは自分の仕事の業務リストや家事から出来るだけ無駄なものを探して減らすため、この分類を試してみたいと思います。
この本を読んだ全体の感想として、仕事は人間の「理性」や「根性」ではなく「知恵」を武器にするべきと感じました。この本は家事や勉強にも活かせそうなので、主婦・学生にも躊躇なくオススメです。
そして改めて「やっぱトヨタ最強だな…」ということを再認識。(語彙力)