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読んだきっかけ
私は将来親になったときの日本の教育に不安を感じています。センター試験も廃止になり、今後は逆に英語やプログラミングから逃げられません。文部科学大臣の「身の丈」発言にも現れるように、今後教育に親の格差が広がるのは仕方がないのかもしれません。また、現在はコロナ禍でリモート教育がどんどん進む中、子供たちの学ぶ内容だけでなく「学び方」も変わるのをテレビで目の当たりにして、少し引いてます。
そんな中昔テレビで話題になっていた息子3人+長女が全員東京大学の理科Ⅲ類(医学部)に合格した著者(以下、佐藤ママ)の存在を思い出し、多少時代が違っても構わないから家庭という現場視点の教育ノウハウは知っておこうと考え、アマゾンで即注文しました。佐藤ママの著書はいろいろあるのですが、選ぶ際はタイトルが露骨で面白いこの本をまず読んでみることにしました笑。読んでみたら「受験は母親が9割」っていうのはある意味正しいと思うようになります。
そもそも私はパパにしかならないのに、どういうモチベーションでこの本読んだら良いのだろう笑
紹介
この本は佐藤ママが実際に3兄弟+長女に何をやらせ、何をやらせず、母として何をやってあげたのかを書いた教育本です。しかし、その内容は時間管理術やテストのスケジュールの考え方等ビジネス書に近く、専業ママの実用書みたいな内容となっています。
感想
「子供ファースト」「伴走力」「時間管理」がキーワード
家庭教育の現場では、よく父親や母親の都合で「私はやらないけどあなたはやりなさい」になってしまいます。
本の中で印象的だったのが、
「お父さんやお母さんがリビングでテレビ見ながら楽しく過ごしているのに、自分だけ1人2階の自分の部屋にわざわざ上がって勉強する」
ことの難しさというか、さみしさです。
こうした態度は子供の勉強ストレスに孤独感というストレスをプラスしています。
当然子供ファーストではないですし、兼業主婦(夫)でも伴走力が必要だと思います。
佐藤ママは子供に習い事でバイオリンをやらせる際、自分も一緒にバイオリンを習ったそうです笑。
共働きや経済的な問題でなかなか真似できませんが、あくまで出来るなら自分も一緒に取り組むという姿勢が大事というエピソードだと思います。
そして私も子供が生まれたら小学生の間は勉強だけでも一緒に取り組もうと思いました。
また、本の中では何度も「受験は時間との戦い」というフレーズが出てきます。子供4人の受験がある分、多忙なスケジュールだったようで、タイマーで時間を測る、家事は完璧にしない等時間をうまく使う工夫をされていました。
時間管理・スケジュール管理については何度も書かれていますので、注目して読んでみて欲しいです。
子供への思いやりがあれば誰でも真似できる
佐藤ママが基本やっていたのは科目ごとのテキストの整理整頓や問題集の切り貼り、テストのスケジュール管理等の後方支援です。確かに、勉強には本を買ってくる、勉強法を考える、答え合わせする、間違えた問題や苦手分野の管理等の実学習時間以外の付随作業は誰でもできますし、必ず本人がやらなければいけないことではありません。
それらを「勉強は全て自分でやれ」ではなく、「すぐに学習スタートできるように付随作業は母がやる」にしたことで勉強を続けられるのだと思います。
特に前者の場合、例えるなら会社で後方支援をしてくれる事務員や営業研修・メンタルケアをしてくれる人事部がいない会社で、新人の営業職員が営業成績を上げようと孤軍奮闘するようなものです。経験から言うとこんなやり方ではまず失敗します。
社会人でも孤軍奮闘は難しいのに、子供にはもっと辛くて大変です。
勉強の後方支援には特別なスキルは全く必要ありませんし、時間さえあれば誰でも出来るのです。私も将来勉強についてあれこれ口を出すより、手を動かして手伝ってあげたいです。
ボクシング亀田3兄弟の父に教育方針が似ている?
全くのこじつけですが、本を読んでいて佐藤ママは亀田3兄弟に似ているなとふと思いました。佐藤ママが3兄弟揃って東大理Ⅲなのに対し、こっちは3兄弟揃ってボクシングの世界チャンピオンです笑。亀田史郎氏は専業主婦ではなくシングルファザーで一人で仕事と家事と教育を全てこなした超人なんです。
ボクシングの世界では、プロのボクシングトレーナーは大学まで選手の成長・才能を待って優秀な選手を選べます。でもそうやって選んだ優秀な選手を育てたとしても世界チャンピオンになるのは難しいのに、亀田史郎氏は格闘技には向かない性格と言われた優しい息子をボクシングの世界チャンピオンに育てたのです。これがボクシングじゃなくて勉強だったら正直佐藤ママより社会から評価されていたと思います。いやマジメに。
気になったので亀田氏の著書『闘育論』も読みました笑。
- スパルタなようで実はスパルタじゃない
- 学校任せにせず責任感が強い
- 簡単な課題で子供に自信をつけさせる(公文の基本問題をやらせる、空手の瓦割りではあえて古くて割れやすい瓦を選ぶ等)
- 家事<教育で、家事は少し手を抜く
- 子供本人からは何故か絶大な信用がある
- 子供が3兄弟+長女(たまたま笑)
これが佐藤ママと亀田パパの共通点だと思います。
まとめ:「教育の目的」に気付かせてくれる教育本
多くの場合、自分が就きたい仕事や夢を追う際に避けて通れないのが受験です。それを分かっている佐藤ママが受験に真面目に取り掛かり戦うエピソードはとても励みになりますし、何より所々子供に対する愛情が垣間見える想いやりに溢れた本でした。家庭教育の可能性を広げた本だと思います。