殺人事件としてはそれほど複雑ではなかったが、事件を犯した背景が湯川の生い立ちと重なっておもしろかった。これまでの本ではあまり湯川自身のことにフォーカスされることがなかったから新鮮だった。短編の「重命る」は、親子関係の法的な位置づけについて知らなかったこともありおもしろかったが、ちょっと出来すぎじゃないかなとも思った。短編だからあまり深い内容にはできないとは思うけれど。
コメントは受け付けていません。